星空学級/ちぇりこ。
 
になる
微小粒子状物質になった子どもは
大気中を漂い星空学級へと編入される
星空学級ではガス状の教壇の上に
環状の先生がいらっしゃる
M57と書かれた名札を
ぶら下げていらっしゃる
先生の周りには名前の知らない
小さな子どもたちが奇声を上げながら
ぐるぐる回っていて時折り先生に向かって
ふぅ、と息を吹きかける
先生の体は気体なので
一瞬ふわっと四方に拡がるが
程なく元の環状に戻る
その様子がおかしくて
子どもたちは次々と先生に向かって
息を吹きかけてゆく
こらこら、と先生は窘めるのだけれど
子どもたちがあまりにも強く
息を吹きかけるものだから
星空学級の全体
[次のページ]
戻る   Point(11)