終戦記念日/ホロウ・シカエルボク
 
の夢を見始めるまでは。

夢がわたしに与える影響など無いと思っていた。というか、そんなものを気にしている暇など無かった。仕事量は眠っている間にもどんどん増えているのだ。どうしてこんなにわたしがやるべきことがあるのかわからなかった。おそらくは水の流れのようなものなのだろう。たくさん流れ出ていく場所には、たくさん流れ込んでくるものなのだ。しかし、わたしは確実にその夢に蝕まれていた。それに気づいたのは夢を見始めて半月ほど経ったころだった。気が付くと書類をタイプする途中で手を止めてぼーっとしていることが増えた。始めのうちは自分で気づくだけだった。おそらく、それほど長い時間ではなかったのだろう。はたから
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