終戦記念日/ホロウ・シカエルボク
れていた。精神病院だろう、とわたしは思った。このままここに死ぬまでいるのだろうか。おそらくは監視カメラで行動を把握されているに違いない。わたしはしばらくの間大人しく過ごした。驚くべきことに診察すら扉越しだった。食事を通すための小窓がドアの下部にあり、そこから処方された薬なども渡された。そういった場所から抜け出すにはどうすればいいのか?わたしは古い映画で見たことがあった。まさかそんな記憶が役に立つなんて考えもしなかったけれど。ある日わたしは悲鳴を上げながら自分の指を噛み切り、痛い痛いと泣いた。大勢の大人が慌てて飛び込んできた。私は両脇を二人の男に担がれ、処置室へと連れて行かれた。処置が始まった瞬間に
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