詩の日めくり 二〇二二年七月一日─三十一日/田中宏輔
探そうとするところで終わった。「あなたたちが大人になってつけられる真(まこと)の名というのは、けっしてたずねてはいけないし、打ち明けてもいけないものなの」「真(まこと)の名前はすなわち物だからです。」(酒匂真理子訳)、「名こそが真実の存在なのです。名前を口にすることは、そのものを支配することなのです。」(酒匂真理子訳)という言葉があった。これが、タイトルの「名前の掟」に由来する考えなのだろう。ファンタジーを少しでも齧っていたら、みな知ってることなのだと思うけれど。この作品が元だとしたら、ル・グインすごいってことだな。
12作目は、ジェローム・ビグスビィの「きょうも上天気」この作品は、文春文
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