詩の日めくり 二〇二二年七月一日─三十一日/田中宏輔
アム・テンの「十三階」あるはずのない十三階をフロアごと借りに来た客がいた。あるはずもないのに、彼らは十三階にエレベーターで行った。支配人が十三階に行こうとしても行けなかったが、契約の終わりの日に行けた。しかし、十三階はもはやなくなっていて、支配人は唖然とする。
7作目は、チャールズ・ボーモントの「闇の旋律」性教育を授業ですることを拒んでいた生物学の高校の女性の先生がいた。彼女は、木立の闇のなかで音楽を聴き、それに惹かれてたびたび訪れた。そこで未知なるものに抱かれる。彼女は、毎夜、訪れるようになった。しばらくして先生は町から姿を消した。
二〇二二年七月二十日 「順応性」
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