詩の日めくり 二〇二二年七月一日─三十一日/田中宏輔
8作目は、キャロル・エムシュウィラーの「順応性」自分がふつうの人間とは異なる種族であると気がついた女性が、12歳の娘に、自分と同じ種族の男を見つけたら、その男のもとに行きなさいと述べる。自分は見つけたけれど、あなたのお父さまのもとから去ることはしないけれど、という。印象的な叙述。
9作目は、マーガレット・セント・クレアの「街角の女神」主人公の青年は街角で女神と出合った。女神は神通力を失いかけていた。青年は女神を自分の部屋に連れてきた。高級ブランデーしか受け付けない女神。女神のために自分の血を売っても酒を買ってくる青年。さいごは女神は姿が透明になって消える。
二〇二二年七月二
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