詩の日めくり 二〇二二年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
前にそうやって死神になったからである。

 ハイブ状の共同住宅で暮らしてる夢だ。ケンコバ似のぜんぜん知らないひとが父親だった。ぼくはやさしい父親の隣で寝てた。妹がいつまでも寝ずに人形遊びをしていた。ぼくはあした大学の授業があるのにいっこうに眠れない。そのうち人形が勝手に動き始めた。そこで目が覚めた。ここちよい夢だった。

 二度寝の夢は、大学時代の友人たちとダイビングしていた夢だった。特殊なカメラで、自分たちが遊泳している姿を撮影していた。徳寺という友だちがいて、彼が中心に遊んでいた。友だちのなかでもっとも好きな友だちだった。


二〇二二年七月十五日 「不可視配給株式会社」


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