石ころの星々より/本田憲嵩
光っているのだろうかと考えて不思議でならなかった。そのうちどうしても気になってしまい、とうとうインターネットを使ってまで、その石ころのことについて調べてみる。それの正体が判明するのに、そう長い時間はかからなかった。
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河の荒波に流れるままにまかせ他の岩や石や物なんかにぶつかりながらも、丸くなり研磨されていったのであろうそれは、こちらの地方では、「十勝石」とよぶ黒曜石のことで、そのただの石ころはその原石だったのだ。ぼくは思わぬ宝石を手に入れたような気分になった。
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社会の荒波に押し流されるのは、もしかしたらそう悪いことではないのかもしれない。ぶつかりながらも若
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