石ころの星々より/本田憲嵩
に身を任せていたせいなのか、ざらざらとした角はすっかりと取れきっており、楕円形に丸くなっていた。それの表面がところどころラメが入ったようにきらきらと無数に綺羅めいていることに気づいたのは、自宅に持ち帰ってみて、じっくりとそれを観察するようになってからだ。
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最初それは、砂の中によく混じっている「星の涙」といわれる粒状の石英や長石が無数に付着しているものなのかと思っていたが、それはまったくの間違いであった。綺羅めいているそれらの部分はよくよく見てみると、黒いツヤがわずかに剥き出しになっており、そこが反射して光っているようにも見えた。なぜこんなただの石ころがこんなにもキラキラと光っ
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