取るに足らない嘘のこと/はるな
る)(あのさ、ふるーいおうちがあるでしょ。その前まででいいよ)。
子供たち。いろんな色のランドセル。光る靴。校庭は多分今まででいちばん広く大きく、わたしが通っていた小学校とよく似た朝令台があった(緑色の塗装がほとんど剥がれて、土みたいな鉄の色が露わになっているところも)。
あちらこちらに住んで、いつもどこかせいせいしながら離れるから、前に住んだ場所に寄ると不思議な気持ちになる。記憶のなかに来てしまったような、軽いめまいのような感じ。懐かしくて、後ろめたいような感じ。誰になのかわからないけれど、小さい、取るに足らない嘘をつき続けている感じ。
自分が生きて生活してることは、不思議で、とて
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