反動/ホロウ・シカエルボク
の頃望んでいた世界を手に入れたのだと…俺は首を横に振った、俺が勝手にそう考えただけのことだ、この世界にはなにも、存在する理由なんて見受けられないじゃないか…けれど、少し前に考えた通り、アクションに従うとするならば、それが間違いなくその世界の理由だった、認めたくはなかったが、確信さえしていた…俺は声を上げようと思った、その世界の成り立ちに抗いたくなった、理由などなかった、本能的な衝動だった、俺は声を上げようとした、だが声は出なかった、口を塞がれているみたいだった、そういえば―俺は呼吸をしていただろうか?それはなにか真っ当な方法では行われていなかったような気がする、少なくとも俺の耳は、俺自身のそんな蠢
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