反動/ホロウ・シカエルボク
 
けるのは無理だろうという気がした、俺は黙って立っていた、時折風が吹いては、落葉が行き場所を探して路面を突っついた、この世界は動いているのだろうか、突っ立ってそんな音を聞いているとそんなことを考えた、不自然に構築された世界に居るような気がした…そのうちに喉の渇きを覚えた、川の水を飲むくらいしか思いつかなかった、そもそも周囲になにがあるかなどまるで目に入りはしないのだ、迷いはなかった、それが唯一自分の身体に起きたアクションだったからだ、手で水を掬い、一口飲んでみた、ただの水のように思えた、砂や石といった不純物は入っていないように思えた、山頂に近い川の水を掬って飲んだ時のような感じだった、相変わらず温度
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