反動/ホロウ・シカエルボク
ら釈然としなかった、夢を見ているのか、それとももっとなにか―違う世界観の中に連れ込まれたのか―確証に至るような材料はどこにもなかった、あまりにも唐突で、あまりにも無意味にそんなところに放り込まれた、そんな感じがした、そのせいなのかどうかはわからないが、あまり能動的に動く気持ちにもなれなかった、そんなときにはなにもしないことだ、感情をフラットにして黙って立っていれば、おのずと自分のするべきことは見えて来るだろう、そう腹を決めていた、「川の音だけが存在しない」そんな場所にいるせいか、どこか現実感を欠いていた、おそらく、そんな場所であれこれと嗅ぎまわってみたところで、なにか納得が行くようなものを見つける
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