さまよう地下茎/ただのみきや
 
も笑いも
ひとしく煩悩の花
こぼせばこぼすほど
クシャクシャにかわいて

見渡しても安らぎはなく
痛みは真珠のよう
胸のどこかに隠れていて
つかまえられない泡の声
金魚のひと呼吸

銀杏がいっせいに風に舞った
散り際の妙に眼差しを手向け
ああすべてをしぼり出し
乾き切った笑顔
わたしのことばを花器として






遊び心は産道を閃き駆ける翼
分身を創り出して展開させる





報酬

への字に曲がった銃身から苦い煙を吐いている
きみの代わりに
   ぼくが殺し屋になろう
音もなく水面下をひた走り
見い出した
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