さまよう地下茎/ただのみきや
 
した者にだけ死が訪れる
目のない魚 銀の弾丸 
―――転送される痛点

だがきみもやっぱりそう
口裏あわせたジャンケンみたいに
汚れた雑巾を絞ってばかりいる一団に混ざって
互いの顔を拭きあったり
見定めたこともない石膏像をせっせと磨いたり

ぼくのお節介はぼくの勝手だから構わない
いくらか流動的ではあっても
世界は役割もその割合もほぼ決まっているのだから

けれどぼくはきみみたいな人の涙に弱いんだ
それで自分の心をいくらかでも湿らせたい
砂漠にバラは咲かないとしても幻くらい





自前

夢は売り買い出来ない
自分の血で灯すランプ
誰か
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