剥き出しの鉄を打ち鳴らす/ホロウ・シカエルボク
ー映画だ、ここぞというときに死ぬことの出来る、ヒット作の役者どもは幸せだ、大人のおもちゃは手の中で破裂する、俺は自分自身の血までダラダラと、季節の変わり目に引く風邪のせいで止まらない緑色の鼻水のように垂れ流しながら、アーケードの中を酔っ払いのように練り歩く、何度も警官と擦れ違うのに、彼らは決して俺を呼び止めることはなく、俺はふざけやがってと口走るものの、手の中にもうなんの武器もないことを思い出す、人間が人間を殺すときに必要なのは、明確な武器の存在なのだ、憎悪などきっと文庫本の栞程度の後付けの理由だ、ジョン・ライドンは妻の介護で忙しく、ラモーンズはとうとう卒業してしまった、半端な田舎のアーケードなど
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