剥き出しの鉄を打ち鳴らす/ホロウ・シカエルボク
 
流れるラジオはいつだって肉親の葬式に似ていて、枕に飲み込まれる狂気は自分自身に瓜二つの奇妙な虫を産み落とす、暴力沙汰のニュースが頻繁にワイドショーを奮起させるその裏で、決して明るみに出ない殺人が途方もない単位で繰り返される、なぜ人を殺してはいけないのですかと自己顕示欲に過ぎる間抜けな子供の質問に、ルーティンワークで摩耗するばかりの大人たちは本気で頭を抱え込む、本当のことは決して教えられない学校の未使用の教室で、新任の教師と色ボケの女子高生がトレンディな性欲に溺れ、校長は会議が終わるたびに不必要なほど大きな机に隠れた下半身でマスターベーションを繰り返す、退屈な親たちは暇潰しに徒党を組んで、絶対に届く
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