夜空にある何かに/宏子
 
こう
田んぼ四枚分向こうで
誰かがスマホを夜に掲げている
画面の光がその横顔をぼんやりと照らし出す
誰かは夜空を撮る
誰かはスマホを閉じ、誰かの横顔は消える
 夜空のことが好きだった誰か
 星雲や 銀河のことが好きだった誰か
 星雲や 銀河の一部だった誰か
そこにいた誰か

石たちの中に
肩身の狭そうに、アスファルトのかけらが膝を抱いている
恥じなくていいんだよ
石の言葉が分かったら、そう伝えてあげてね
あなたは立派だよ

銀河が星を見て
きれいとか、優しいとか言ってる
こんなわたしが
綺麗な素材でできていることが辛いって
みんなそう思うのかな
そんなに
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