2004年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)/板谷みきょう
 
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廊下 走って「やり直し!」
耳たぶまで赤い彼女 忘れない
「え?あ、いや…」
風邪の熱に 魘されてたのさ


レシピ片手に 料理する彼女の
愛のスパイスは 作ろうとする想い
アツアツのリゾットを運ぶ
鍋つかみの 手袋 黄色


彼女はいるぜ 本当さ
いつも独りだった 彼と
うんざりしてた思春期に
日向臭い 木造校舎の廊下の端

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02/03
暗号の恋文は 解読できない
かつて まだ パスワードを 
知らないがため 秘密っぽいまま
透き通った 想い の 樹海


帰りたい 帰れるものなら
なすべきことは 山
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