2003年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)/板谷みきょう
かりだけど
向こうから 走ってきそうに
長く待ち聴く 懐かしい
故郷に続く 受話器に聞こゆ
呼び出しの音 るるる
黄金に垂れる穂先に
飛び交う 憧れの
日暮れの早さ 美しさ
いいだろうなあ 蜻蛉
風の音に潮の香も
波の照り返す陽ざしも
冷たいお茶に入れて
望郷の扉のむこうの浜辺へ
無償の愛の
ゆっくりと
胸に突き刺さす
運命を 込めて
★*゚*☆*゚*★*゚*☆
07/23
視界も暗い太陽の輪郭
せっかく空はどんより曇
もらった缶のお茶を飲んで雨宿り
絡み付いて外れなかった 胸の糸
月光のひりひりと夏の
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