2003年の(cap verses / そよ日暮らし投稿作品)/板谷みきょう
 
夏のまなざし
若き日の母のように午後に手を曳き
柔かい光となっていつまでも輝きそして
悪夢とめぐりあうくりかえしデジャヴ


包んで結んでささくれた
ゆらり ふんわり
あまく やさしく なやましく
夢も希望も優しい風になって


★*゚*☆*゚*★*゚*☆

07/15
頬づえをつく漱石と
太宰に漂う香り 胸の
ずっと 奥 眠れぬ胡桃 
音もなく はじけ


あの時のこの場所に
今という 短夜を
気付けぬものか 
なぁ。ほうき星よ


天邪鬼 思い裏腹
俯くことさえ許されず 
デラシネに仰いで旅の
曇の峰かな


頬染めた夏も 
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