ジェネレーション・テロリスト/ホロウ・シカエルボク
 
満ちていた、何も分からないまま懸命に身体を動かしているうちにいつの間にか分からないことは無くなっていた、会社の信頼を得て、チームのリーダーを任されるようになった、同僚ともウマが合った、だがある日、俺は深い穴に落ち込んだ、俺は何を手に入れたわけでもない、そんな思いが巨大な岩石のように降って来て一瞬で俺を圧し潰したのだ、俺は働けなくなり、生きることが出来なくなった、精神科に通い、薬を飲んで横になっているばかりになった、幸い、ひたすら働き続けていたせいで貯金はあったから生活には困らなかった、でもそれはそれだけのことだった、俺は自分の部屋で横たわったまま、血の底まで落ちていくような感覚を覚えた、ああ、これ
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