ジェネレーション・テロリスト/ホロウ・シカエルボク
 
運が悪かっただけだ、そんな風に考えてもらうことだって出来る、それよりも悪いことはこの街にはうんざりするくらいあるからだ、絶対に同じ通りは使わなかった、車を盗んで別の街に行ったりした、手を抜いてはいけない、欲をかいてはいけない、周りを馬鹿だと思ってはいけない、それが幾つも仕事の中で覚えたことだった、クソ真面目にそんなことをしていると、この世で一番馬鹿なのは自分なんじゃないかという気が何度もした、けれど俺にはもうそんなやり方以外は思いつけなかった、女は家庭教師だった男と卒業後結婚したと聞いた、そのあとどうしていたのかなんて死ぬまで一度も耳に入って来なかった、こんなことはいつまでも続かないだろう、いつか
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