白い麦わら帽子/秋葉竹
ぶんでじぶんに
云い聴かすこともできる訳なくて
あーあ、
もっと
いや、
もうすこしだけ
じょうずに生きられたらなぁ、
とか
なんだかバカ云ってるよ
泣きそうな顔して、さ
そうなんだ
悔いと
失望と
しんどさが
もつれてほどけない
糸みたいにからまるんだって、さ
大好きな
白い麦わら帽子が
空中庭園から
突風に
飛ばされて
それを泣けばいいのだろうか
こんな空虚(うつろ)な悲しみには
なんの意味もないと
知らされて
それとも
なにを泣けばいいのだろう
そんなあたりまえの問いかけにさえ
こたえる正しさを見失ってしまっ
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