詩の日めくり 二〇二一年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
二巻・1906・四月八日、新庄嘉章譯)


二〇二一年十三月五日 「断章」


かなり重要な手紙をジャムに書く。
(ジイド『ジイドの日記』第二巻・1906・火曜日、新庄嘉章譯)


二〇二一年十三月六日 「断章」


 ジャムにこんな無造作な手紙を書くのは、實に辛い。だがほかにどう書きようがあろう?……彼の鼻はもう香の煙にしか利かないのだ。
(ジイド『ジイドの日記』第二巻・1906・十一月二十三日、新庄嘉章譯)


二〇二一年十三月七日 「断章」


 今でも、まどろむ前や、眞夜中にふと眼が覺めた時、運惡くジャムのことを考えると、まるで眠れなくなる。
(ジ
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