詩の日めくり 二〇二一年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
スデイ・プレゼントだった。彼はずっとそれが気に入っていた。それは写真ではとらえられない形で彼女をとらえていた。
(ジョージ・R・R・マーチン『子供たちの肖像』中村 融訳)


二〇二一年十三月二十六日 「断章」


(…)理由はわからぬながら、このワイルダー・ペムブロウクという男は彼のなかにいっそうの不信と敵意をつのらせていた。「自分のつとめを果たしているだけです」ペムブロウクは繰り返した。
 それでもやはり、意識の形をとらぬ理由から、コングロシアンは相手の言葉を信じなかった。
(フィリップ・k・ディック『シミュラクラ』13、汀 一弘訳)


二〇二一年十三月二十七日 「断
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