世界の真実(十五)/朧月夜
「そうでございます、騎士様。先ほどの魔物は、エビ・グレイムと言います」
ヨランは、アイソニアの騎士から言葉を引き継いで言った。
そして、説明をする。「この本、オスファハンの手書きのメモによれば、
エビ・グレイムとは、心を狂わせる魔物でございます」
「心を狂わせるだと? この女が男に変わったことも、それに関係しているのか?」
「それは分かりません。ですが……、この旅に変化が訪れたことは確かでございます」
「変化? それは何だ?」アイソニアの騎士が、(愚にもつかぬ)と言った調子で尋ねる。
彼にとっては、旅とは冒険であり、冒険とはすなわち生死がかかった旅だったのである。
「先ほ
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