莫大なメニュー/ホロウ・シカエルボク
 
、いちばんしっくりくるものを真実と呼ぶべきだ、そこには時間をかけるべきだ、現代人は即解こそが美徳だと思いたがる、それに見合う中身も無いのにひと目ですべてを理解してしまう、冗談じゃない…容易い真実などない、一番初めの認識は必ず覆されるだろう、そこに正解の数が幾つあったかなんてたいした問題じゃない、なんの参考にもならない、いついかなる場合でも、選択肢は無数に用意されるべきだ、選択する、しないに関わらず―世界はそこに意識を向けなければ広がることはまず無い、自己を現象よりも先に置いてしまってはそのすべては疎かなままに年老いてしまうだろう、ある意味で、自己は亡霊のようでなければならない、その世界において在る
[次のページ]
戻る   Point(1)