「夏の思い出」の詩人、江間章子/藤原 実
 
かが置いて行ったもの」)

と彼女は記しています。左川ちかは今年(2022年)になって全集が発刊され、話題になりました。数年前から翻訳もされ、海外での評価も高いといいます。
江間の言うことを信ずれば、今、左川ちかという詩人の再発見とともに、「詩とは何か」が新たに問われ始めているのかもしれません。

北園克衛は当時の左川ちかの出で立ちを次のように描写しています。
{引用=
彼女が好んで着ける?天鵞絨のスカアト、細い?い線のある絹のシヤツ。緋色の裏のついた?天鵞絨の短衣。廣いリボンのついた踵の高い?い靴。一本の黄金蟲の指環。水晶の眼鏡がすべての現實を濾過し彼女の小さな形の好い頭の中に美
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