「夏の思い出」の詩人、江間章子/藤原 実
 
その主義主張がどんなに正しく美しいものであったとしても、その美しさと詩の美しさは全く別の問題です。それは江間章子自身がかつて述べていたことでもあったはずです。

西脇氏は詩人でないひと、悪い詩人、詩人でない詩人と区別する。そして、このひとたちは詩の美ということと、自然の美ということを混同するのが多い現象だという。
そして、自然の美ということと、詩の美ということは殆ど関係のないことであるといってよいといい、あるときはむしろ、前者が後者を妨害することさえあるといっている。
こうしてみても、詩はたしかに魂の仕事なのである。
     (江間章子『詩へのいざない』)

いったい江間
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