静かな時計が刻む時間はいつだって死んでいる気がする/ホロウ・シカエルボク
 
明日の二十四時間もやはり違うのだ、なのになぜか、時計の針のように生きることを美徳とするものたちが居る、それが正確になされればなされるほど、彼らの声は大きくなる、簡単なものを選んでいるとだいたいの人間がそうなる、しつこく鳴り続けるアラームを切るように彼らを遮断する、生きるという観点において、彼らは一ミリも役に立つことはない、文字盤に潜り込み、針の中心を引っこ抜く、そんな意志を話してきた先人たちが俺をここまで連れてきてくれた、俺は彼らに感謝している、でもいまのところ返せるものはなにもない、彼らはそれでいいんだという、人は結局自分の為だけに生きるのだよと、「看板の立て方の問題なんだ」と彼らは言う、「誰か
[次のページ]
戻る   Point(1)