長い漏電/ホロウ・シカエルボク
 
、答えを出そうとは思わなかった、少なくとも今は…もう少しその状況を楽しんでいたかった、でも数十分後にはそれは危険なことだったのだと気付いた、そして、気付くのは少し遅過ぎた、薄霧の草むらの中に小さな道路に背を向けるように佇み、俯いて微動だにしない俺は、傍から見ればぼんやりと浮かぶ首吊り死体のように見えたことだろう―まあ、こんな廃道に朝早くから忍び込むもの好きなどそうは居ないだろうが―俺は考えを他へ逸らすことが出来なかった、ずっとその配電盤を眺め続けていた、もはやそいつの有様は俺の中へ住み着いていた、まずいのかもしれない、そんな感覚は古い記憶のように意識の端っこで疼くだけだった、蓋の僅かな亀裂から外界
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