リアリティ・バイツ/ホロウ・シカエルボク
 
と稀なケースさ、だって、どちらかと言えばみんなそこで完全に狂っちまう方が美しいと思いがちだからね、押し売りのように語る連中、よく居るだろ、あいつらは失敗したんだ、狂っちまえなかった、だからさ…その辺の誰かに絡まなくっちゃあ、自分自身の尊厳すら守れやしない、でも俺にはそれは汚染された河川の水面に浮かぶ、妙に粘度の高い泡みたいに俺には見えるよ、本当の闘いはひとりでするものだ、誰かに売りつける喧嘩で得ることが出来るのは勝ちか負けだけさ―俺はひとりきりの闘いを続けてきたんだ、もう思い出せないくらい昔から…そうしていまだにそれを続けているというわけさ、何故かなんて考えたこともなかった、ただどういうわけかそこ
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