リアリティ・バイツ/ホロウ・シカエルボク
 
発見されなかった迷路のようだ、あらゆる角を曲がってみたが壁以外の景色が見つからなかった―それを愚かだと笑うのは最初の壁で諦めた者だけさ、徒労を知らずに結論を得たものたちは打たれる痛みを知らないままだ、そんな人生が掴む幸せになど爪の先ほどの興味もない、どん底まで落ちた時、そこで見つける光の眩さをやつらは知らない…荒唐無稽なまぼろしが天井と床の間で軽過ぎる塵のように浮ついている、そんな微妙なズレをすべて容認して、なおかつ僅かばかりのフレーズを手に入れる、そんなことの方が喚き散らすよりも狂気であることもたまにある、以前にも少し似たようなことを書いたことがあるけれど、そいつをある程度飼い慣らした俺は割と稀
[次のページ]
戻る   Point(1)