車輪の美的側面/菊西 夕座
 
沸きたつ雛罌粟も
 蒼穹をわたる勇壮なイヌワシも 緑にぬれて煌めく星々も
車輪のなかで夢幻のごとく点灯し 視覚を輪廻の渦で酔わしめる

健常の椅子から転げ落ちようと 常に望むのは対等でなくそれ以上!
萎びた足がまとう車輪を盾にとり 交差する憐れみの紫外線をはねかえす
海辺を彩る粋なパラソルのごとく 開花する側面で玉座を飾りつけ
ときには窓に見立てた輪ぐるまを 万華鏡そっくりに回して遊ぶ

輻で区切られた円錐の窓から 手をふっているのはジュリエット
 その対の赤い窓からは ロメオが薔薇のキッスを投げている
  運命の歯車が摩擦をおこし アスファルトから立ちのぼる旋風
   敵
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