詩の日めくり 二〇二一年九月一日─三十一日/田中宏輔
ボリュス号の船長」
3作目は、ワレンチナ・ジュラヴリョウワの「宇宙船ボリュス号の船長」6人の宇宙飛行士がバーナード星に行くのだが帰りの燃料が足りない。船長はバーナード星に残って5人を地球に送り出す。船長は地球の景色を思い出し絵を描く。絵は船長の遺骸とともに、のちのち発見される。という話。
二〇二一年九月十八日 「断章」
もはや睡眠が必要とせず、窓辺に腰をおろした。すべての睡眠は、おれが今日の午後にシカたちと走りまわったあの向こう岸へ到達せんとする乳児や、巣のなかの鳥たちや、老人や若者たちの試みにすぎないのではないだろうか?
(J・G・バラード『夢幻会社』21、増
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