流れるごとく書けよ、女詩人/藤原 実
ますからね。隠してこっそり書いていましたよ」と語っています。
永瀬清子は先輩詩人である深尾須磨子に女性が詩人として生きることの困難を訴えて言います。
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「女性が詩を書くといふことの不幸。 それは誰が知つてゐるでせう。おそらく詩をかく女性でなくてはわからず、そしてそれもすでに若さを過してなほ詩に巻きこまれてゐる私のやうな者こそそれでせう。そしてそのほとんどが中年の家庭婦人である女詩人會の人々でせう。そして多分深尾さんもいくらか。おそらく憲法が何度改正されたとて變ることのできないこの不幸。」
「隣り組の干渉夫人に、彼の病気を治したいなら詩を書いたりするのはおやめなさいと面罵され
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