流れるごとく書けよ、女詩人/藤原 実
 
であった。一ページ毎に読んでいくうちに自分でも見当のつかない興奮をおぼえた。
 それ以上におどろいたことは、自分の住む場所を見つけたような安らかさと大胆さだった。
 ジョイスとかコクトオとかエリオットとかブルトン、スペンダーという名前とともに、春山行夫も西脇順三郎も滝口修造も伊藤整、左川ちか、山中散生、北園克衛、阪本越郎もここでおぼえた。それと同時に、おどろいたことにはわりにたやすく、わたしにもかれらに似てまったくかれらとちがう詩を十篇ほど書くことが出来たのであった。」
    (『詩へのいざない : 現代詩の理解と作法』 江間章子著 、柴田書店、1957)

と、モダニズムの詩を知っ
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