よふかしのうた/秋葉竹
こここに漂う柑橘系の香りを
満喫して
その香りのもとの人が
ほんとうは吸血鬼なんだって
知ってる
やましくなるほど好きだってはなし
そんなはなし
かつて
したこと
あったっけ?
ま、ちょっとあからさまに
恋愛を陽炎にたとえるのも
人の愛の底がみえた気もするので
最後まで
よふかしをしながら
いったいいつ寝てんだよ?
とか
カラダを心配してもらいながら
世界中の寂しげな微笑みを
抱擁しつづけるつもり
なぁんて、ね?
あまぁい、憧れの呟き
豊かな田舎の青空が
その忘れられない横顔が
圧倒的に胸を締めつける
そういえばあの田舎の浜辺で
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