詩の日めくり 二〇二一年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
が地球のものと違っていたし、戦艦に知られていない金属が用いられていたし、戦艦が停止するまでにおよそ13光年の距離を移動したことをメーターが示していたのだ。戦艦は、宇宙船だった。

 4作目は、「空間の海に帆をかける船」主人公は物理学者とともに海王星の外側を周回する宇宙船に乗り込み、高エネルギー線を記録する仕事をしている男。ある日、質量がゼロの宇宙船が近くを通りかかった。宇宙船の内部には空間がなかった。空間の性質を調べるために、宇宙船を爆破してしまった。撃沈。

 5作目は、「死の船」未来に意識を飛ばすことのできる装置があって、物理学者ふたりがその装置を搭載した船に乗る。物理学者は、自分の息
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