詩の日めくり 二〇二一年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
年」遺伝子改造した鼠、ネオラットを退治する軍隊に属する青年が主人公。ネオラットは人間みたいに二足歩行する躰を持ち、雄でも妊娠して七匹もの子鼠を腹のなかに持つ。ネオラットは大挙して移動する。移動しながら自分たち同士で殺し合う。そう遺伝子操作されていたのだった。軍隊と教官と新兵といった登場人物たちのやりとりに、現実の中国の軍隊の在り方が垣間見える。ネオラットの鼠退治の隊員たちはみな大学生か卒業したものばかりだった。


二〇二一年七月三日 「鼠の夢」


 ぼくは自分の広い部屋にいた。鼠を捕らえた。鼠の脳髄は舌先にある。部屋に作業員がいたので、こてのような道具を借りて、鼠の口に入れてめちゃ
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