言ふなかれ、君よ、わかれを、/藤原 実
 
たちを使って『辻詩集』(日本文学報国会編) 、『大東亜戦争愛国詩歌集』(大政翼賛会文化部編)、『嗚呼特別攻撃隊』(楓井金之助編)、『国民詩』(中山省三郎編)など、つぎつぎと国策的なアンソロジーが戦時下で編まれていくことになりました。

『戦争詩集』 (大阪詩人倶楽部, 1939)というアンソロジーがあるのですが、これについて三好達治は、雑誌『新日本』(新日本文化の会)の1939年4月号誌上の「灯下言―詩歌時評」に実戦経験のない銃後作家の書く詩の空想癖と無力さに対して警鐘を鳴らしています。

{引用=「先日大阪詩人?樂部發行の「戰爭詩集」といふものの寄?を うけた。三十數氏の手に成る戦爭詩
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