言ふなかれ、君よ、わかれを、/藤原 実
である、と断じているのですが、これ白秋の長年の詩業も否定してしまっていますよね。絶筆なのに。いやひどくないですか朝日さん。
こういうのを読むと詩歌などというものが「健康で逞しい精神」を持った人たちから見れば世の中の役にも立たない、日陰者の戯言ぐらいの存在でしかないのだなあ、とあらためて思うのです。そして当時の詩歌人が戦意高揚詩に手を染めていった心情というのも少しわかるような気もするのです。
それまで日陰者の存在であった自分たちが突然、光栄ある聖戦の熱血の進軍歌の歌い手としてメインステージに躍り出たわけですから。
日本の抒情詩を代表する存在であったいわゆる「四季派」のひとりである丸山薫
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