言ふなかれ、君よ、わかれを、/藤原 実
れもかなり出来の悪い、どれもこれも似たり寄ったりなもので作者の名前を入れ替えても 気づかないのではないかと思うほどなのですが、それでも中には 今日でも 読むに耐えうるような詩も含まれているのです。
稀にそういう詩に出会うと川原の石の中から自分だけの宝石を探し当てたような、宝探しのような、興奮が味合えます。
例えば大木惇夫という人などは『わが祖国の詩 : 青年と日本愛国詩史』(野間宏 等著 ,理論社, 1952)のような左派系イデオロギーで戦争協力者を断罪していくような本では「侵略者の歌」「狂った軍国主義」と罵声を浴びせかけられていますが、彼の『戰友別盃の歌』などは今日でも読むものに感銘を与
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