詩の日めくり 二〇二一年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
がうまくて、びっくりした。それぐらいよくできている。この手のアイデアのものは、いくつか読んだ記憶があるが、一番目か二番目によいものと思った。


二〇二一年五月十五日 「薄明の真昼のジョコンダ」


 8作目は、「薄明の真昼のジョコンダ」一時的に目が見えなくなった主人公が、目が見えないところからくる幻想のようなものを見る。していた包帯を取る日がきて、ふたたび目が見えるようになるが、見えなかったときのことを考えて、自分で自分の目をつぶすというもの。

 さいごの9作目は、「ありえない人間」平均寿命が80歳を超えてる時代に、若者の数の少ない時代に、交通事故で片足を失った17歳の少年がい
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