指先の輪廻/ホロウ・シカエルボク
 
によって包まれ、もう何をも傷つけることはない、昨日心臓に帰って来た血液がそのことを教えてくれた、俺は歓びの歌を書こうと思う、でもそれを俺の身体は求めていない、なぜなら、すべてが終わったわけではないからだ、俺はまだ新しい一行を書こうとし続けているし、肉体もまだ維持されている、喜びはすべてが終わった後に訪れるものさ、先人たちはみんなそう記しているじゃないか?眠っても眠っても訪れる睡魔の隙間を縫って、俺は内奥の最深部をコールする、それは答える時もあるし、全く答えない時もある、すべては俺のしていることが上手く行っているかどうかによるのさ、俺は長い長いリフレインの中でそのことを覚えてきた、ルーチンではない、
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