指先の輪廻/ホロウ・シカエルボク
熱を放ち続け、次の一行を俺に綴らせる、俺はただ頭を空っぽにして、ディスプレイの前に腰を下ろすだけでいい、あとは、指先が勝手にやってくれる…どんなことにもとらわれてはいけない、俺の指先はその真意を知るだろう、それは寄生植物のように心魂に取り付き、根を張り、神経に沿って身体中に伸びていく、渇いた喉に水を流し込んだ時のように、俺はそれを感じることが出来る、神経にまとわり、骨にまとわり、筋肉にまとわりついていくそれの感触を―そうして俺は、自分の中に流れ続けている歌の意味を知るのだ、どんな偶然でもない、俺は初めからそれを求めていたのだ、洞窟の中で瞬きを繰り返すような日々の中で…ガラス片はいまや血液の成分によ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)