純粋遊戯/ただのみきや
見るとシぬと言われている
なにかの教祖がおトモを引き連れてねり歩く
人々はそれを見に集まりながら大半はキョウフのあまり一斉に
暗く狭い廊下をシニモノグルイで走り出し
ニゲキレナイと悟った者たちは目を固く閉じ 俯いて
一心不乱に教祖を讃えながらハタを振るしかなかった
普段シぬことなど少しも恐れていない連中まで
みな脱兎のごとく互いをかき分けてヒッシに走ったが
教祖は巫女たちに囲まれているだけの着飾ったただのババアで
見たからといって誰一人シぬ者などいるわけはなかった
それは認知されていないメイシンのように突如として
ココロの内側からやって来て
普段は使われない感覚器のようなも
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