詩の日めくり 二〇二〇年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
版社の独和辞典かは忘れてしまったけれど。


二〇二〇年十三月九日 「夢」


 けさ、奇妙な夢を見た。自らの手で自分の首を切断したぼくが、両手で頭をもとの位置に維持しつづけながら、いろいろなところで、いろいろなことをしゃべっているというもの。何を暗示しているのか、さっぱりわからない。


二〇二〇年十三月十日 「体育教師」


 ぼくら中学生に何をつたえたかったのだろうか、中学校の3年のときの体育教師の井上先生が、ぼくらに、こんな話をした。「おれはラグビー部だったが、レギュラーになるために味方の手をスパイク付きの靴で踏んづけてけがをさせた。」と。どういった意図があって、こ
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