詩の日めくり 二〇二〇年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
も二時間くらいいるのに、その日は一時間くらいで帰ったので、後日、えいちゃんに、「臭かったん?」と訊かれ、ぽかんとしてると、そのときにいたお客さんが腋臭だったからという。ぼくが腋臭の臭いが大嫌いだって知ってるからね。ううん、べつに、ちょっと体調がよくなかったんじゃないかなって言った。そういえば、ジュンちゃんはものすごい腋臭だったけれど、タイプの男の子だったら、腋臭でも、ぼくはがまんできるみたい。ジュンちゃんが部屋に遊びにきたときは、帰ってからも一日中、腋臭の臭いが部屋にしてたものね。でも、タイプだったらだいじょうぶ。ずいぶん自分勝手な嗅覚してるなって思う。


二〇二〇年十三月十五日 「ミキヤ
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